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研究開発部
応用化学専攻修了
1996年度入社
譲り受けるもの、伝え繋ぐもの

株式会社松風に入社して20数年間。研究開発部に所属し、製品の設計・開発から製造現場での量産化構築、開発製品上市後の販売活動の支援など様々な業務に携わってきました。松風は1922年に設立された歴史ある会社。入社当時はそんな歴史があることは考えず、目の前の業務に夢中になって取り組んできました。もちろん、大きな問題や課題に直面し、たじろいだり、挫けたりすることは幾度もありました。ただ、それらを乗り越え、開発した新製品が発売となった時は、本当に言葉にならないほどの達成感が味わえます。
振り返れば松風で過ごした時間は、もはや4半世紀。その中で気づいたことがあります。それはどんな現場にも継承されている技術、伝統そしてレジェンドがあること。今もなお第一線で活躍しているロングセラー製品、モノづくりの現場で継承されているノウハウ、製品開発の中で継承されている開発技術の蓄積など…、いくつも存在します。それらに初めて触れるとき、そのとき活躍された先人・諸先輩方の松風スピリットに尊敬の念を覚える次第です。時の流れを経て、今、新しい若い仲間が増えていることに気が付くにつけ、松風で学んだ、そして生み出した松風スピリットを次世代に継承していくことがもう一つの大切な仕事だと考える今日この頃です。

ある真夏の一日の過ごし方

年を追う毎にどんどん気温が上がっている夏の季節。そんな猛暑の中、一日を費やす真夏の恒例事、鮎の友釣り。夜明け前、藍色の冷やかな空気の中、車に乗り込み清流に向かう。日が昇りだすと同時に、夏山の木々の香が立ち込める澄んだ川面に足をつける。白く泡立つ瀬中に囮を送ると竿先が躍動する生命感を捉え、のされる竿を全身で受け止めること数秒、きらめく魚体が宙を舞う。甘い独特の匂いをもつ美しい香魚との出会い。真夏の青い空と白い雲、灼熱の日差しの中、澄み切った川瀬で過ごすと体の熱が抜けていくのを感じながら、時間が経つのも忘れる。ふと山間からの茜色の光が差す頃、今日一日の出会いを振り返り帰路の支度。ハンドルを握り窓から夜風にあたるとき心地よい体の疲れと明日からの鋭気が蓄えられたことに気づく。